「先生、コンサートマスターって
なにをする人なんですか?」
コンサートマスターとは、オーケストラのなかで一番高い技術と音楽性をもち、オーケストラ曲に対する知識や経験も豊富な人で、オーケストラと指揮者の間にたつ人のことをさします。
いつも、ファースト・ヴァイオリンセクションの一番前、客席側に座ります。
男性の場合は、コンサートマスター (日本語での短縮形は コンマス)、女性の場合には、コンサートミストレス (日本語での短縮形は コンミス)といいます。また、英語では Concertmaster, Concertmistress, また、ファーストチェアー / Firstchair とも言いますね。
コンサートマスターはただそこに座っているだけのようにも見えますが、実はとてもたくさんの仕事、責任を負っています。
ファースト・ヴァイオリンの弓順はコンサートマスターが決定し、それに応じて、他の弦楽器セクションの首席奏者が、おのおののセクションの弓使いを決定します。
オーケストラの音合わせの際には、コンサートマスターがリードして、チューニングをはじめます。
(コンサートマスターはオーボエから A (ラの音)をもらって、オーケストラのチューニングをしますが、コンサートマスターが合図をしないとチューニングははじまりません。)
演奏やリハーサルでは、指揮者の考えや意図するところを理解し、必要であれば、その「通訳」(演奏することで示したり、別の言語表現で言いかえるなど)しながら、ほかのオーケストラのメンバーたちとコミュニケーションをとり、伝えます。
ですから、演奏の際には、コンサートマスター以外の奏者は、指揮者と同時にコンサートマスター(や、自分のセクションの首席奏者)をしっかり意識し、よく見て演奏しているのです。
また、オーケストラ曲のなかには、コンサートマスターソロ といって、コンサートマスターが演奏するソロが書かれている作品もありますので、そのソロをすばらしく演奏するのもコンサートマスターの仕事です。
リヒャルト・シュトラウス「英雄の生涯」、リムスキーコルサコフ「シェエラザード」、
チャイコフスキー「白鳥の湖」などなどに コンサートマスターソロ がありますので、
ぜひ聴いて、見てみてくださいね。
オーケストラのコンサートマスターは、高い技術をもち、すばらしい演奏ができると同時に、オーケストラという大きなグループのリーダーとなり得るだけの、人望やコミュニケーション能力を持ち合わせていないといけない大変な仕事です。
オーケストラのオーディションのときには、コンサートマスターも人選にかかわります。
プロのオーケストラではこのようにとても大きな責任を抱えるのがコンサートマスターです。
大変な仕事ですよね。。。
一方、ユースオーケストラや学校のオーケストラなど、若い人たちのグループでは、
もちろん、ここまでの重たい責任はありません。
私自身、コンサートミストレスをさせていただいたことも多いのですが、
このような大切なポジションだとは知らずに
ただ、でもなんだか責任がありそうだ。。。ということで、
とにかく一生懸命練習して、とにかく一生懸命弾いていました。(笑)
このポジションを得た人は、
指揮者や仲間たちとしっかりコミュニケーションをとりながら、
自分に与えられたパートをのびのびとしっかり演奏しましょう。
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One thought on “コンサートマスターってなに?”