ジェンキンソン – エルフの踊り

ジェンキンソンについて

エズラ・ジェンキンソン(1872-1947)はイギリスの作曲家であり、ヴァイオリニストでした。日本ではほとんど馴染みがないかもしれませんが、ヨーロッパやアメリカではこの「エルフの踊り」は、とてもよく親しまれている曲です。初心の方々は無理をする必要はありませんが、はじめて、ソティエのストロークを練習するにも使えるよい曲です。

「エルフの踊り」は ヴァイオリンとピアノのための 6つの叙情的な小曲集(ファーストからサードポジション)(1894年)の第2曲におさめられています。

1.子守唄

2. エルフの踊り

3. メロディー

4. マズルカ

5. バカロール(舟歌)

**曲のタイトルは私が翻訳したので、公式なものではありません。

私が使用した版とは違いますが、IMSLPよりダウンロードが可能です。ありがとうございます!

エルフってなぁに??

この作品の英語訳は Elves Dance となっています。英語では単数形が elf で、複数形が elves です。アメリカ人がエルフと言って思い浮かべるのは、左の絵のような(サンタクロースのお手伝いをする)小人たちのこと のようです。

上の楽譜で、フランス語訳が sylphe となっていますが、シルフ とは エルフ とはまた異なるもので、私自身は、シルフと聞くと、もっと妖精に近い印象、例えば、バレエの作品、レ・シルフィード (フランス語:Les Sylphedes、英語:The Sylphs)の雰囲気を思い浮かべてしまいます。

英語 elf のフランス語訳は elfe のようですが、こちらの翻訳では elfe ではなく、sylphe という言葉を用いているので、ちょっと不思議な気分です。もし、何かご存知な方がいらしたら、ぜひお知らせください!

まずはゆっくりデタシェで

ソティエを勉強するにしても、まずは、デタシェのストロークで、

・左手(左指)が問題なく動き

・音程がきちんととれ

・左手(左指)と右手(弓)のタイミングにも全く問題なく、クリーンに音がだせ

・強弱にもきちんと気を配れる余裕ができるように、

ゆっくり練習するところからはじめます。

譜読みの際には、8分音符の形でするのも効果的ですね。

あまりきれいに弾けていない部分もありますが(汗)参考にはしていただけるかと思います。

「きれいに弾けている状態を保ちながら」速く

慣れてきたら、強弱を加えて、どこまで速く弾けるかチャレンジしましょう。

ただ速くすればよいというわけではなくて、

・2つ目の16分音符がきちんと意識できるか、弾きながらきちんと聴こえるかどうか

・右手と左手のタイミングが崩れずに、ひとつひとつの音がきちんと出ているか

・きれいな音がでているか

・弾いていて疲れないか

・いつ、どの弦を弾くのかがきちんとわかっていて、身体にも入っているか

など、とにかく、きれいに弾けている状態 でどこまで速くできるか ということを常に考えながら練習しなければなりません。

なにか少しでもおかしなところがでてきたら、必ずまた余裕をもって弾けるテンポまで戻ります。

それを繰り返しながら、どのくらいまで速くできるようになるでしょうか?

速く弾くには、ある程度、身体が効率的に使えないといけませんね。力みすぎていると難しかったりします。

ソティエ

ソティエは弓の毛は弦から離れずに、弓のスティック(木の部分)が上下に弾むことで、弾んでいるように聴こえる というストロークです。この奏法をするためには、ある程度のスピードが必要です。

私の場合は、一番ゆっくりで 四分音符=95 で16分音符を弾くくらいのテンポくらいからソティエができます。このテンポでは、ソティエとスピカートの両方が可能ですね。最初のうちは、あまりゆっくりでも弓を弾ませるのがむずかしいかもしれませんので、先生と相談のうえ、ご自身にとって一番弾きやすいテンポを選んでソティエに挑戦してみましょう。

弓の重心をみつけて、短いデタシェのストロークをそのあたりで繰り返します。デタシェは基本的に左右に動くストロークですが、それに、右手首や指を緩ませた状態で、上下の運動を加えます。まずは、左右に動かすこと、そして、上下に動かすこと、を別々に体験してみるのもいいですね。そして、その後、その両方の運動を一緒にしてみると、ソティエができるようになります。実際に弾く場合には、上下というよりは、斜め下45度くらいに向かっての動きになります。最初のうちは、脱力するのが怖い(だって、弓がフロアに落ちてしまうのではないかと心配ですものね!)かもしれませんが、そのコツをつかめると、弓が自然にはずんでくれて、このような曲をより楽しみながら演奏することができるようになります。

今回はソティエ初心者さんに向けて、四分音符が140もおさめてあります。弓がはずんだ感じの音が聴こえるでしょうか? こちらには ピアノ伴奏のみ も入っています。ピアノはakompianoさんです。ありがとうございます!

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