松脂(マツヤニ)はね、松の木の樹液を固めたものなの。
樹液ってわかる?
木を傷つけると、木が自分のことを守ろうとしてでてくる液体のこと。
人間も傷ができると、血液がでて、かたまり、身体を守ろうとするのと同じね。
ヴァイオリンの弓に塗る松脂は、もう少し詳しく言うと
松の木の樹液にひまし油など、柔軟剤の役割をするものを加えたもの。
単に松の樹液を固めただけでは、とても壊れやすいからね。
(壊れやすいものほど、柔軟剤など余計な不純物が加わっていない という意味にもとれるわね。)
もちろん、柔軟剤が加わっていたとしても、落としたら割れてしまうことが多いから
気をつけないと。
実は先生も何度か松脂を落として割ってしまったことがあるの。
買ったばかりのときなどは、とっても憂鬱な気持ちになったわ。
でも、そんなときは、割れた面を温めて溶かすことで、もう一片とくっつけることもできるの。
小さなかけらになってしまった場合は、それをアルミ箔のようなもののうえで
オーブン内で温めてくっつけてみたこともあるわ。(笑)
松脂にもいろいろな種類があって、音や弾き心地に影響するの。
また少しずつ、より詳しいお話もしていきましょうね。