[練習方法] カイザー 36の練習曲 22番 アレグロ アッサイ(Svecenski)

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「弾きはじめたばかりだけれど、止めるわね。2小節目は最初の音をなんとなく、長~く伸ばして弾いてくれましたね。自分なりに考えて、そして、考えたことをかたちにして分かち合ってくれてありがとう。そういう姿勢はとっても大切。けれども、楽譜の読み方としては、正しくないわ。

 

まず、ト音記号があって、ヴァイオリンで弾ける ということを確認。そして、シャープが4つあって、コモンタイム (日本語でもこのように言うのですね!びっくりしました!!)、つまり4分の4拍子ということもしっかり確認します。そのあとにはじめて音がかかれてあるのですよ。1小節目には16分音符が連なっていて、拍子を書き入れると以下のようになりますね。

 

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kayser no.22 first measure

 

では問題の2小節目。最後の4つの16分音符はきちんと書かれています。ではこの小節に拍子のラインを書き入れるとどうなると思う?」

 

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kayser no.22 second measure

「最後の拍子はここになるけれど、他の部分が・・・・・???」

 

「最後のビート(拍子)はあっているわ。ということは残りの部分で3拍ということになるわね。つまり、以下のようになの。

 

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Kayser no. 22 first and second measures with beats

そして、付点2分音符のようにみえる音の下の旗の部分が16分音符と同じようになっているのがわかるかしら?つまり、付点2分音符の長さ分を16分音符で弾いてください、ということなの。もし、1音1音ずつ書くとすると、以下のようになるわ。

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Kayser no.22 second measure

そして、もうお気づきのとおり、ほかの小節にも同じことが言えるので、この曲のほとんどの部分は16分音符で弾くことになるわね。

 

この曲は指を正確に動かす訓練であるとともに、ひと弓でたくさんの音を弾く弓のコントロールの練習、音程の練習でもあります。もちろん、練習方法としては、まず、音程をしっかり理解してから ひとつひとつの音の粒をそろえて、指を動かすことに気持ちを向けるのがいいかと思います。大抵の場合、この練習曲を弾くころには、音の粒は自然にそろう生徒が多いので、あなたもそちらにはそれほどエネルギーを使わなくても大丈夫だと思いますよ。

 

音程の練習にはすべての音を弾くのではなく、以下の○で囲んだ部分のみを弾く感じで音をとっていくのがいいですね。

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kayser no.22 mm.13-33

 

このようなかたちでまず全体を把握して、その後すべてを16分音符で弾くことに慣れ、最後にテンポを上げて、どのテンポでも無理なく、粒をそろえて弾けるようにするのがいいですね。もし余裕があれば、もちろん強弱もつけるのが良いですが、カイザーで長い時間を費やしすぎないで、前に進むこともとても大切です。様子を見ながら進めていきましょう。

今、あなたは中学生。学校にも行かなければならないし、宿題もしなければならない。ごはんも食べないといけないし、お風呂にも入って、睡眠もとらないといけない。他の活動や習い事もあるでしょうから、そんなにたくさんたくさんの時間をヴァイオリンだけに費やせるわけではないですもの。(笑)効率よく、でも学べるものをしっかり学んで進みましょう。

また、以前にもお話ししたとおり、練習曲・エチュードはすばらしい作品を演奏するための準備をするためのものですし、エチュードだけでも、まだまだ何冊もこなさないといけません。カイザーは、Elementary and Progressive Studies という名の通り、まだまだ初歩の段階ですから。長い、大きなスパンも見据えていきましょうね。」

 

カイザー 30番 / Kayser 36 studies for violin no.30 Allegro moderato (Svecenski) – Dear Students 私の大切な生徒たちへ

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