リーディングの協奏曲は、私が自分で生徒をもつようになってから知った曲のひとつです。日本ではあまりなじみのない曲かもしれませんが、生徒たちが学べるものがたくさんあるとてもよい曲です。今日は音程の問題がでやすい1楽章後半の2つのセクションについての練習方法について紹介します。
オスカー・リーディングについて
オスカー・リーディング(Oskar Rieding, 1840-1918)は北ドイツ出身のヴァイオリニスト、指揮者、作曲家。ベルリン音楽芸術アカデミーやライプツィヒ音楽院で学び、その後、オーストリアのウイーンへ。ウイーンでの出会いにより、ハンガリー、ブダペストのオペラオーケストラのコンサートマスターに就任。その後、32年ハンガリーに住み、コンサートマスターの仕事をする傍ら、ヴァイオリンとピアノのための曲、ヴァイオリン協奏曲を書いています。
この協奏曲は、私の手元の楽譜では Concerto in G Major op.24 となっていますが、Wikipedia, IMSLP によると、コンチェルティーノ/ Concertino となっています。
難易度
私はこの曲を自分が教えるようになってから知りましたが、この1楽章のなかに、いくつかのキャラクターがちりばめられており、とてもいい曲です。
第1ポジションから第5ポジションまでが使われており、スケール、アルペジオ、4弦すべてをつかうスラーのついた分散アルペジオ、オクターブの音程、連続したダウンボウを含む、さまざまな弓の使い方 などに触れることができます。
私の手元の楽章では1楽章だけで4ページ。これまでにない長さなので、4ページを通して演奏するスタミナ、集中力の持続 も養うことができます。
もし大変であれば、2ページごとに仕上げるのもいいですね。
Suzuki Violin School Book 5-6くらいの生徒に適当かと思います。
Suzuki Book 5-6 の曲集は、バロックの曲が中心に収められていますので、私はそれらと平行して、生徒たちにこの曲も紹介しています。
楽譜の無料ダウンロード
楽譜のダウンロードはこちらから可能です:
Violin Concertino, Op.24 (Rieding, Oskar) – IMSLP: Free Sheet Music PDF Download
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今日は、1楽章の後半で、音程の問題があらわれやすい部分についてお話ししましょう。
音程の練習方法: mm.124-127
Step 1: まず、このセクションは半音階に基づいているということに気づいてください。まず、丸をつけた音だけを弾いてみましょう。実は1箇所だけ、半音ではないところがありますが、どこかわかりますか?
こたえは。。。m.126 の シ と ドのシャープ のところです。ここだけが全音ですね。
下の音源は A=441、練習のために、丸をつけた音のみ3回弾き、その後、上がって下がってを2回繰り返しています。
Step 2: ひとつずつ音をみていきましょう。どこが半音(指をくっつける)で、どこが全音(指を離す)かをさがしていきます。半音はどこでしょう?自分で楽譜にしるしをつけてみてください。そして、こたえは。。。下にしるしてあります。
Step 3: 音の関係がわかったら、ゆっくりとひとつひとつの音をスラーなしで弾いてみましょう。そして、音程がしっかり理解できたら、スラーをつけて、すこしづつテンポをあげていきましょう。
録音は A=441, 練習のために、スラーなし、楽譜とおりに四分音符 = 70 and 80
音程の練習方法:mm.132-137
まず、これらは分散和音であることを知ってくださいね。ですから、最初はむずかしいことですが、ひとつひとつの音を考えるというよりは、和音を弾いているという意識をもてるのが理想です。
Step 1: スラーなしで、ひとつひとつの音を学んでみましょう。
Step 2: 次に指のおきかたについて意識をむけます。
半音のしるしを使っていますが、それは半音というよりも、指をくっつける という意味です。
Step 3: 下の楽譜にあるように、グループごとの最初のふたつの音を重音として、そして次のふたつを重音として練習してみます。
セクションの最後までこのように練習してみます。:
Step 4: 楽譜にあるとおりに弾いてみましょう。左手は以前よりずっと楽になっているはずです。
******左手のことに集中しましたが、このようなアルペジオの場合、右手の練習はまず開放弦での練習です。録音を参考にしてみてくださいね。弓はあまり使いすぎずに、しっかりとしたコンタクトを保ちましょう******
ほかの部分についても、記事をアップする予定です。お楽しみに。
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