篠崎ヴァイオリン教本1巻 99番からでしょうか、ときどき Con Sordino (コン ソルディーノ)/ 弱音器を用いて という指示がみられるようになります。気がついていますか? 今日はその 弱音器について お話ししましょう。
弱音器とは?
弱音器 は英語では a mute といい、演奏中に音色をかえるために楽器の駒 / a bridge につけるものです。大きく分けて、演奏用ミュート / performance mute と 練習中の音量をおさえるための 消音器 / practice mute (直訳は練習用ミュート)のふたつがあります。日本語ではなぜか消音器というようですが、つけたからといって、音が消えてしまうことはありません。どちらもヴァイオリンの駒につけて、演奏中の弦の駒の振動をおさえることで、楽器への振動を低減させ、音色、音量をが変える仕組みになっています。
演奏用ミュートはいつ使うの?
演奏用ミュートは楽譜に Con Sordino / 弱音器をつけて という指示があるときに使用します。1曲すべてをミュートつきで演奏することもありますし、曲の1部分だけに使用することもあります。
どんな音がでるの?
演奏用ミュートをつけると、音量が弱まり、おさえられた音色になります。少し「鼻をつまんだような」感じになります。下の動画でミュートあり、なしの演奏があるので、聞いてみてくださいね。
演奏用ミュートの種類
いくつもの種類があります。今回、私が使用したのは トルテ 丸型 / torte round (one hall) ですが、私自身が演奏の際に使用するのは トルテ オリジナル / torte original (two halls) です。
私はハイフェッツミュートを使ったこともありますが、こちらは弦にひっかけておくことができないため、無くしてしまいました。
生徒のなかにエボニーミュートを使っていた生徒もありますが、こちらも弦にひかっけておくことができず、またハイフェッツミュートよりも大きいため、不便そうでした。
ワイヤーでできている Slide on mute / Roth-Shihon も使ったこともありましたが、こちらは、演奏中にすばやく動かすことができず、間に合わないこともあり、使用をやめました。
分数ヴァイオリンのためのミュート?
私はまだ分数ヴァイオリンのためのミュートはみたことがありません。もともと楽器が小さく、音も小さいので、ミュートを使うにはあまりそぐわないかもしれません。でも、今回のように、楽譜に指示がある場合、私の生徒たちには、レッスン中に私のミュートをつけてあげて、変化を体感してもらっています。普通は、この記事の最初にでてきた写真のように、駒のうえにつけますが、フルサイズ用のミュートを分数ヴァイオリンの駒の上部につけようとしても、弦と弦のあいだが狭すぎてつけることができません。ですので、以下の写真のように、駒の横につけてあげています。いつもと違った音色を体感できるのは、とても励みになりますね。
動画のご紹介 一緒に練習しましょう!
以下の2つの動画では、ミュート(弱音器)あり、なし の両方の音を聴くことができます。マイクを通してしまうと、実際の演奏会場で耳にする場合と少し異なるとは思いますが、違いはわかるかなと思います。
最初の動画音源では、篠崎ヴァイオリン教本1巻160番、161番、163番で、もうひとつの動画音源では、99番を ミュートあり、なし で弾いています。
篠崎バイオリン教本1巻 / Shinozaki Violin Method vol.1, no. 158, 159, 160, 161, 162, 163
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ボルガの舟唄、子守唄、古いフランスの歌 [篠崎バイオリン教本1巻]
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2 thoughts on “ヴァイオリン用ミュートのお話:Con Sordino / 弱音器を用いて [篠崎ヴァイオリン教本1巻 ](no.160, 161, 163)”