今日は 篠崎ヴァイオリン教本2巻 44番「美しきわが子よいずこ」を勉強しましょう。
この曲についてとても簡単に
この曲は教本にもあるとおり Scotish Air / スコットランド民謡 です。The Bluebells というのは、釣鐘草(つりがねそう)というベルの形をした青いお花のことで、スコットランドの国花です。The Blue Bells of Scotland は直訳すると 「スコットランドの釣鐘草」となります。戦争に行った恋人のことを思い、案ずる女性の気持ちを歌ったうただそうです。
日本では、明治15年から17年にかけて出版された「小学唱歌集」のなかで、日本語の歌詞つきで、その他たくさんのイギリス、ドイツ、アメリカなどの外国の曲とともに紹介され、この曲は「美しき」というタイトルで掲載されたようです。そのうたいはじめが、「美しきわが子やいずこ」なので、篠崎先生はこちらをタイトルとしてとられたのだと思います。
スコットランド民謡の歌詞、そして、当時日本語でつけられた歌詞を知っても知らなくても、このメロディーはとても親しみやすく、美しいものですね。実は、私自身、篠崎ヴァイオリン教本で育ち、この曲が好きでした。
もう少し進んだら Farmer The Blue Bells of Scotland / 美しき変奏曲
このスコットランド民謡をもとに、Henry Farmer がヴァイオリン(とピアノ)のためのバリエーション(変奏曲)を書いています。44番では、そのメロディーだけをあつかっていますが、Farmerの作品を篠崎先生が2巻のレベルの生徒たちのために短く、やさしくしたと思われるものが2巻の64ページに「美しき変奏曲」として掲載されています。私はこのヴァリエーションが子供の頃とても気に入っていました!
この曲を通して学びたい5つのこと
1.イ長調 / A Major
イ長調 / A Major という調 / key は G Major や D Major と同様にヴァイオリンにとても向いている調です。それは、オープンストリングス (開放弦)も使いやすいため、楽器が鳴りやすいからです。(これについてはまた別の機会にゆっくりお話ししましょう。)ですので、いつもと同様に、ですが、開放弦と確認できる音程はしっかりそれに合わせて、楽器を十分に鳴らせ、ひびきを感じましょう。そうなると、もちろん調弦も大切です。
2.Andante / アンダンテ
アンダンテとは 歩く速さで です。今は、車や飛行機、そしてコンピュータなど、すべてが高速化しています。この間勉強した篠崎ヴァイオリン教本2巻6番の「驚愕シンフォニー」を書いたハイドンは、ピアノトリオ(ピアノ、ヴァイオリン、チェロのくみあわせ)でこの曲の伴奏を書いています。ということはこの曲はその前からあったわけですが、ハイドンの時代ですら、車も、コンピュータもなかったのですから、もしかしたら、歩く速さも 今の私たちよりももうすこしゆっくりだったかもしれません。
Hob. XXXIa 176: The Blue Bell of Scotland
あなたは普段、どんな速さで歩いていますか? ちょっと歩いて、感じてみてください。みんな少しずつ違うでしょう?それでいいんですよ。あなたのこの瞬間のアンダンテをみつけましょう。明日のアンダンテは明日のアンダンテ。今日のアンダンテは今日のアンダンテ。(笑)本番がない場合には、そうやっていろいろなテンポで楽しんで構わないのです。でも、一度弾きだしたら、同じテンポを守りましょう。
3.声をだして歌ってみましょう
この曲は うた です。ですから、自分がどこからどこまで一息で歌うのかを感じるために声にだして歌ってみましょう。先生も上手には歌えません。でもそうすることで感じることが大切です。そして、それを弓をつかってまねるのです。ヴァイオリンではダウンボウとかアップボウとか、弓を運ぶ方向を変えるたびに、音がきれてしまいがちです。でも、自分の声でうたうときには、一音ずつに、息継ぎはしませんよね。(笑)この曲の場合は、少なくとも4小節は息継ぎをせずに、歌いたくなるはずです。ですから、ヴァイオリンで弾くときにもなるべく音をつなげるようにして演奏します。
ヴァイオリンをはじめて間もない生徒は上記のことはまだ心配することはありませんが、うたうことはとても大切です。この曲を復習に使っている生徒、そして、大人のかたは うたう ということ、そして、音を途切れさせない ということについて、考え始めましょう。
4.音の高低をしっかり感じながら美しい音で
篠崎先生は最初の2段ののち、次の2段はオクターブ下げて書いておられます。こうすることで、すべての弦を使って演奏できるのですから、ありがたいですね。高音(A string/E string)を弾いているとき、低音(D string/G string)を弾いているときではもちろんでてくる音の感じが違いますし、テクニックとしても、右`の肘の高さ、弓圧がそれぞれの弦によって違ってきますね。また、G弦を弾く際には、少し左肘をなかに入れる(自分の右側のほうにもってくる)と指が届きやすくなったりすることもあります。すべの弦で美しい音がだせているでしょうか?練習をしながら、そんなこともよく聴いて、確認してみましょう。
5.楽しんで弾いてみましょう
44番まできましたが、ここではリズムも音の並びも割りにシンプルです。いろいろなことを確認したり、考えたりしたら、一度、それを忘れて、純粋に楽しんで弾いてみることも大切です。こんなにきれいなメロディーなのですから。
動画のご紹介 : 一緒に練習しましょう!
では今日も一緒に練習をはじめましょう。今回はno.44が最初に入っています。Descriptionのところに詳細が書かれていますので、必要なところを使ってみてください。
The Bluebells of Scotland / 美しき我子よいずこ (Shinozaki Violin Method Vol.2, no.44 / 篠崎ヴァイオリン教本2巻)
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Happy Practicing!
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