今日は篠崎ヴァイオリン教本2巻40番におさめられている グリーグ 「オーゼの死」の勉強をはじめましょう!今までに触れた曲のなかで一番悲しげな曲かもしれません。でも、とても美しい曲ですね。
この曲についてとても簡単に
この作品はノルウェーの作曲家 グリーグ(1843-1907) の代表作「ペール・ギュント」というイプセンの戯曲にもとづいて作曲された劇付随音楽のなかの一曲です。「オーゼ の死」に並んで「ペール・ギュント」のなかの「朝」「アニトラの踊り」「山の魔王の宮殿にて」などはとても有名で、みなさんもどこかで聴いたことがあるかもしれませんね。
この曲を通して学ぶこと
この課題を通して、みなさんは 弓づかいによる表現 に触れることができます。ヴァイオリンの演奏において、弓づかいはときに左手以上に大切です。弓のスピード、圧力、そして、以前にも触れたサウンディングポイントを変化させることで、多種多様な音色をうみだし、さまざまな場面にあったそれを選べるようになります。そして、そのようなテクニックの先にたつものがイマジネーションです。
イマジネーションをふくらませるためのキーワード
この曲の性格をあらわすキーワードはもちろんタイトルにある「死」でもありますが、次に書かれている Andante doloroso / アンダンテ ドロローゾ も同様に非常に大切です。アンダンテは 歩く速さで そして ドロローゾは in a sorrowful, mournful or plaintive manner with grief / 深く悲しんで です。深く悲しんでいるときには、頭は垂れたれ、足が前に運びません。なので、テンポの選択も自然と遅めとなります。
曲の雰囲気をしっかり表現するための3つの大切なこと
テンポの選択のほかに、曲の雰囲気をしっかりと伝えるために考えてみたいことがあともう2つあります。
この曲を学ぶ子供のみなさんにはまだ難しいかもしれませんが、大人の方々は 拍の(前のほうではなく)後ろのほうを感じる ということにも挑戦してみてください。そうすることにより、深い悲しみが足かせとなって、足を前に運べずに、足を引きずっているかのような、重たさ、暗さ、などを表現することができます。決して急がないことです。
また、音程も少しだけ低めにとると、よりその表現が深まります。
動画のご紹介:一緒に練習しましょう!
こちらの動画では、以前のものもそうですが、課題曲と同じテンポで準備練習に取り組んでいます。準備練習のときから、なんとなく 「深く悲しんで」という音を探しながら練習してみましょう。
今回の準備練習のクレッシェンドやディミニュエンドは自宅でのラップトップによる録音はとても難しいですね。マイクは小さな音をとても大きく拾ってくれるので。音色が自然ではないですが、音量が変わっているのはわかると思いますので、ぜひ一緒に練習しましょう。音が割れているところもありますが、そのままにしてあります。
そして、今回は、なるべくビブラートに頼らずに、弓だけに集中して表現をするようにしています。もちろん、自然と少しだけビブラートがかかることもあると思いますが(動画でもそうなっています)弓の動きに集中して練習をする機会をもつこともとても有意義です。
すべての課題においてそうですが、最終的には、あなたのAndante dolorosoをみつけてみてくださいね。そのお手伝いが少しでもできればうれしいです。
必要なときに必要なところを使ってみてください。
では一緒に練習をはじめましょう!
グリーグ オーゼの死 / Grieg Death of Ase (篠崎ヴァイオリン教本2巻 / Shinozaki Violin Method Vol.2), no.40 and no.34-39
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