「あなたの試験のエチュードの課題は。。。?」
「カイザーの30番です。これ音がいっぱいあって楽しい!」
「あら、そう! それはよかったわ。 手が疲れたりしない?」
「う~ん。。。大丈夫!」
「ではちょっと聴かせてくれる?」
♪ ♪ ♪ ♪
「途中で止めてごめんなさいね。だけど、問題があるわね。何が問題なのかわかる?」
「???」
「まず、音程。西洋音楽は全音と半音から成っているの。だから、全音と半音のふたつが、いつどこでどのように使われているのかを 聞いている人がはっきりとわかるように演奏しなければならないわ。あなたの演奏では、半音の間隔が少し大きいことがあって、半音と全音がはっきりしないことがあるので、聴いている人にはわかりにくいと思うわ。半音では左指をしっかり指をくっつけて、隣同士に置いて、全音ではしっかり離す。しっかりやってみましょうね。
それから、指は動いているけれども、残念ながら、粒がそろっていないの。自分で聴こえるかしら? ときどき、3つめの音が長くなったりしているの。 わかる?
そのようになる原因は、あなたがひとつひとつの音を正確に感じられていないから。
この30番はたくさんの音が書かれてあるけれども、まず自分がひとつひとつの音を意識し、しっかり聴きながら 弾かなければならないわ。ひとつただなんとなく指を動かしているだけではダメなの。
あなたのために提案できる最初のステップは、スラーをとって、ひとつひとつの音を弓を替えて弾いてみること。
あなたは、集中力に欠けるところもあるし(笑)、身体の使い方がまだ固いので、もし、両手ともに(もしくはどちらかが)疲れるようだったら、まずは1ページ目に集中しましょう。もしくは、1ページを半分、もしくは3分の1、もしくは4分の1など、短いセクションに区切って、セクションごとによくしていくというかたちで練習をするのもいいかもしれないわね。
この練習の方法だと、左手、右手のタイミングがあわないなどの問題もでてくる可能性があるので、自分できちんと弾けていると思えるテンポでまずやってみること。速く弾く必要はないの。この練習の目的は、ひとつひとつの音に意識を向けること ですからね。
もう一度繰り返すけれど、この作業をしながらも、音程のことを考えることも忘れないようにね。
それから、39小節目から43小節目は移弦や音程の問題もあるので、そこは今から練習をはじめておきましょう。先週一緒にみてあるから大丈夫ね?
次のレッスンのときまでに、どのような成果を聴かせてくれるのか楽しみにしているわね。」
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この2週間は、大きな状況の変化(ステイホームオーダー)に落ち着いて練習に向き合えなかったかもしれないけれど、上に楽譜をあげてある部分の音程がまだ不安定ね。
先生の音程ももっとよいほうがいいけれど、参考にはなると思うので、これを参考につかってみてね。
**この記事は生徒の様子によって、再度追記更新をするかもしれません。(^^)
カイザー25番 / Kayser No.25 Allegro (Svecenski/G.Schirmer) 15小節目 / m.15 – Dear Students 私の大切な生徒たちへ
カイザー14番 / Kayser no.14 Andante (Svecenski/G.Schirmer) 冒頭 / beginning – Dear Students 私の大切な生徒たちへ