ブルッフ ヴァイオリン協奏曲について
マックス・ブルッフ(1838-1920)はドイツの作曲家、指揮者、教育者です。ヴァイオリン協奏曲ト短調は彼の代表作といってもよいくらい、時代を超えて世界中の多くの人々に愛されている作品です。3楽章から成る25分くらいの作品です。
ブルッフ ヴァイオリン協奏曲の難易度
ASTA(American String Teachers Association)の検定試験(全米弦楽器指導者協会検定試験)、MTA(Music Teachers Association)のガイドラインによると、ブルッフ ヴァイオリン協奏曲はレベル10となっています。
レベル10では、以下のようなことに向かって進んでいるとよいとされています:
- ヴァイオリンの指板の一番したから上までを使用することができる
- 弓使いにおいても、ヴィルトゥオーゾ的なものもとりいれられる
- カール・フレッシュ スケールシステムなどにみられるすべてのスケール(重音、ハーモニクスを含む)に通じている
- それぞれの時代の音楽形式や演奏様式にふれている
- 音楽表現をするために必要な音楽理論やハーモニーにある程度理解している
- 自分自身での音楽表現ができるように導かれるべきレベル
もちろん、たとえば、ブルッフ ヴァイオリン協奏曲を学ぶ前に、カール・フレッシュ スケール システムすべてを終えていなければならないということでもないですし、音楽理論やハーモニーに関してもヴァイオリンのレッスンのなかだけで(例えば、私の場合は、レッスン時間も限られているため、かなり明らかであること、必要だと感じることのみにしか触れません)補える程度のこととなりますが、バロック、古典派、ロマン派、現代 の作品すべてにおいて、ある程度の演奏ができるようになっているレベルですね。芸術への入り口に到達しているレベルという印象です。
ブルッフ ヴァイオリン協奏曲 1楽章のレッスン
冒頭
まず、最初の部分がGのOpen String(開放弦)ではじまるので、ピアノのと一緒に弾く際には、調弦をAから始めるとともに、Gもピアノとチェックをして、ピアノのものに近くするのがいいわね。どこに行ってもピアノの調律が多少狂っていることはよくあることだし、ピアノのg minorのハーモニーに近づけておくと、冒頭の部分が聴衆にとって安心できるものとなるわ。弾き始めはとても大切。
D-stringに3指をおいて、ビブラートをかけることも忘れないようにしましょう。
18小節、26小節の7連符
「18小節目、26小節目だけれど、きちんと楽譜通りに弾くようにしましょう。
m.18
m.28
たしかに、7連符をテンポ通りにきちんと弾くのは難しいかもしれない。
でも、練習をすれば、あなたにならできると思うわ。
だから、少し時間がかかっても、早く入ってきたりしないで、楽譜通りに弾けるようにしましょう。」
「先生、でも、Youtubeに載っている演奏には、早く入ってきているものもあります。」
「そうかもしれないわね。
いろいろな演奏を見聞きして、インスピレーションを得ることもとてもいいことよ。
でも、いろいろな版が出ていると思うけれど、先生の知る限りでは、ブルッフはそうは書いていないわ。そして、先生自身、そのような教育は受けていないの。ブルッフが書いたものへの敬意、そして、先生の先生(方)への敬意、そういう意味でも、先生は、楽譜に書かれてある通りを弾く ということをあなたに伝えたいわ。」
「わかりました。やってみます!」
「ありがとう。」
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