篠崎バイオリン教本59番から63番まではフラットひとつの短調、ニ短調のセクションです。
59番 ニ短調音階
これまでと同様、スケールからはじめましょう。リズム、弓使いのバリエーションも提示されているので、ぜひやってみましょう。
60番 準備練習
61番ポロネーズのための準備練習ですね。練習のポイントはもちろん 移弦 です。弓の毛がどちらの弦にいるときにも、きちんと弦に密着しているようにしましょう。
61番 ダンクラ「ポロネーズ」
ダンクラについて
シャルル・ダンクラ(1817 – 1907) はフランスのヴァイオリニスト・作曲家です。9歳のときに、ヴァイオリンを勉強するものにとっての大切なエチュードのひとつ「24のカプリス」を書いたピエール・ロードのもとへ勉強にいき、ダンクラの演奏に動かされたロードは、ピエール・バイヨ、ルイジ・ケルビーニ、ロドルフ・クロイツエルなどと勉強ができるように推薦状を書きました。そのような経緯を経て、ダンクラはパリ音楽院でバイヨとヴァイオリンを学び、アレヴィと作曲を学びました。18歳からソリストとして活躍し、その後は、パリ・オペラ座管弦楽団に入り、その後、コンサート・マスターとなりました。40歳で自分の母校であるパリ音楽院の教授になり、先生としてもよい仕事をしました。
篠崎バイオリン教本3巻や4巻にでてくる「エア・ヴァリエ」はヴァイオリンの技術を学ぶにおいても、音楽的にもとてもすばらしい作品です。勉強できる日を楽しみにしてくださいね。
(ちょっとだけ ダンクラ エアバリエ)
このポロネーズもとてもすてきな作品です。準備練習にもあるように、移弦を上手にできるようにしましょう。
くさびのマークについて
くさび のマークはスタカートとは異なるものですね。スタカーティシモと呼ばれることもありますね。アメリカで勉強していたとき、あるすばらしいコンサートマスターであった方に、オーケストラ・スタディーをみていただいたときに、「このマークは にんじん(carrot) だ。そして、carrot の C は キャラクター (character)の C ! 」と 教えていただいたことはとても印象深くこころに残っています。その後、何年か、このマークをみるたびに、このことを思い出して、教えていただいたことを私なりに確かめてみていますが、この表現はとてもすばらしくこのくさびのマークを語っていると感じています。
つまり、このマークは音の長さだけをさすのではなく、ひとつひとつの音に性格/キャラクターをもたせて という意味です。そして、それが一体どういうものなのか、ということは、その楔を使っている作曲家によって微妙に変わってくるのです。
まだヴァイオリンを学びはじめて間もない 篠崎バイオリン教本2巻をはじめて勉強している方々は、まずポロネーズという踊りであるということ、そして、篠崎先生のご指示にあるように、くさびのある音はとりあえず「鋭いスタカート」で弾いてみましょう。
ポロネーズとは?
ポロネーズというのは、もともとポーランドで生まれた4分の3拍子の踊りの一種です。農民のダンスとして生まれましたが、のちにとても人気を得て、貴族などにまで広まりました。
Allegrettoは少し控えめなテンポで、という意味なので、あわてなくて大丈夫。
62番 準備練習
63番「ラ・フォリア」のための準備練習ですね。
63番 コレッリ 「ラ・フォリア」
アルカンジェロ・コレッリ(1653-1713)はイタリアのヴァイオリニスト、作曲家です。フォリアもダンスのひとつで、15世紀末のポルトガルもしくはスペインで生まれたとされています。3拍子のゆるやかなダンスです。篠崎先生も書いてくださっていますね。
篠崎バイオリン教本2巻ではテーマ・主題のみに触れることになりますが、篠崎バイオリン教本4巻、鈴木ヴァイオリン教本6巻にテーマとヴァリエーションのかたちででてきますので、こちらもぜひ勉強できる日を楽しみにしてくださいね。その際には、フォリアについて、もう少しお話ししましょう。今回は、61番 ダンクラ「ポロネーズ」のお話がちょっと長くなってしまいましたので。
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ラ フォリアが上手に弾けるようになったら次はこちら:
[篠崎バイオリン教本2巻] 変ロ長調、バグダッドの酋長1と2
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2 thoughts on “[篠崎バイオリン教本2巻] ニ短調音階, ダンクラ「ポロネーズ」, コレッリ「ラ・フォリア」”