ト短調
篠崎バイオリン教本2巻68番から72番まではト短調に触れます。
ト短調といえば、みなさんはどんな曲を思い浮かべますか?
私はまずやはり ブルッフのヴァイオリン協奏曲 です。ヴァイオリンに興味を持ち出したころには、この曲にとてもあこがれていて、一生懸命勉強した時期がありました。そして、私の生徒たちもやはりこの曲に関心をもつものが多いです。魅力的な曲ですものね。
バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ1番も、しばらくしたらみなさんも勉強するヴァィヴァルディの協奏曲にもト短調のものがあります。
ヴァイオリンの一番低い音、それも開放弦を使える単調。たくさんの曲が書かれていますので、ぜひ親しみましょう。
68番 ト短調音階
譜例1や2にも触れることで、69番:ベッカー ガヴォット や 70番:ホーマン 夢 の準備ができますので、ぜひやってみましょう。
69番 ベッカー「ガヴォット」
ジャン・ベッカー(1833-1884)はドイツのヴァイオリニストです。フロレンティン弦楽四重奏団を結成し、ファーストヴァイオリン奏者として世界中に知られ、活躍しました。
この曲は 鈴木ヴァイオリン教本3巻 にも違ったかたちでおさめられています。鈴木ヴァイオリン教本のもののほうが repetitiveなため、長さも2ページあります。g minor のセクション G Majorのセクション の両方を学ぶことができ、ふたつの調をいったりきたりする勉強ができます。
Allegretto molto grazioso / アレグレット モルト グラツィオーゾ とは
アレグレット = アレグロほど陽気な感じではなく
モルト = とっても
グラツィオーゾ = 優雅に、気品のある
ですので、あまり速すぎず、優雅でやさしい感じで演奏するのがよさそうです。篠崎先生は「非常に優美に」と書いてくださっています。
そしてガヴォットはバロック時代のダンスですから、一定のテンポで流れていくことも忘れずに。
70番 ホーマン 「夢」
クリスチャン・ハインリッヒ・ホーマン(1811-1861)はドイツの作曲家、音楽教育者で、5巻にわたるヴァイオリン教本でとても有名です。
この「夢」と題された小さな曲は ホーマン ヴァイオリン教本2巻の70番におさめられており、篠崎先生がセカンド・ヴァイオリンパートをお付けになったのだと思います。
ホーマンの70番は下にみていただけるように、1小節目、3小節目、5小節目、9小節目、11小節目にダブルドット(複付点)が使われていますが、篠崎先生は、この教本をつかう生徒たちにわかりやすいように、8分音符とタイを使って書き換えてくださっています。
Andante / アンダンテ は 歩く速さで という意味。みなさんはどんなテンポを選ばれるでしょう?
71番 準備練習
ト短調音階をつかった72番アリアに使われる弓使いのための準備練習です。
72番 スナイエ「アリア」
ジャン・バプティスト・スナイエ(1687-1730)はバロック時代のフランスの作曲家で、ヴァイオリンの名手でもありました。フランスで学んだのち、イタリアへ行き、同じく作曲家でもあり、ヴァイオリニストでもあるトマソ・アントニオ・ヴィターリのもとで学び、イタリアの様式をフランス宮廷に紹介しています。作曲家としては、約50ものソナタを書いています。
アリア とは 簡単にいえば うた のこと。たとえば、こちらのとても有名で皆さんに愛されている曲もアリアですね。:バッハ G線上のアリア(バッハ アリア 管弦楽組曲3番より)[ヴァイオリン四重奏]
Adagio / アダージオ とは 一般的には ゆっくりとしたテンポで と表されることが多いと思いますが、イタリア語の意味としては、英語でいう leisurely、日本語にすると、のんびりと という意味があるので、私にとっては単におそくするというよりは 余裕のある という印象です。
みなさんでしたら、この「うた」をどのようなテンポで、どのような音で演奏するのでしょうか?
音源のご紹介:一緒に練習しましょう!
では今日も一緒に練習をはじめましょう!
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Happy Practicing!
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