カイザー1番の性格
カイザー1番はC Major / ハ長調。篠崎ヴァイオリン教本でヴァイオリンをはじめた方々にはとても馴染みのある調性ですね。ヴァイオリンを演奏するうえで最も大切で、最もよくでてくるストローク、デタシェについて考え、向上を図るためのエチュードです。フレーズは楽譜にある強弱をつかって、うまく示すことができるようになっていますね。
Detache / デタシェ
デタシェはヴァイオリンの演奏の基本です。洗練されたデタシェのストロークの習得に到達すると、ひとつひとつ均一で粒のそろった音がだせ、常に楽器が鳴っている状態を保つことができます。もちろん、そのうえで、強弱や音色も変えられるようになるのです。
私は、デタシェのむずかしさ、そして、美しいデタシェというものがどういうものなのか、ということがわかったとき、そして、どのようにすればそれに近づくのか、ということをみつけだせたときの衝撃を、今でも決して忘れることができません!!!
美しいデタシェは、均一で、音のつぶがそろっていて、音と音の間にまったく隙間がなくきれいにつながります。
まずは、弓の中央、そして、それよりも少し上のほうを使って練習します。
基本的には、弓の圧力とスピードを同じに保つことで、音の均一性が保たれます。
繰り返しに近いですが、以下の記事にもデタシェについて少し書いていますので
参考にされてください。:
ウォールファールト 60の練習曲 / op.45 no.32 Allegro – Dear Students 私の大切な生徒たちへ
Allegro moderato とは
Allegro = 元気よく
moderato = 適度な、ほどほどな
元気よく、でも、元気がよすぎる感じではなく、ほどほどに という感じでしょうか。(笑)
楽譜の指示とおりに強弱を
まずは、何が書かれているかを学んで、左手も、右手も、ある程度、楽になってきたら、楽譜に書かれてある強弱、クレッシェンド、ディミニュエンドを表現してみましょう。
基本的には、音量を大きくする際には、弓を速く、たくさん使い、音量を少なくする際には、弓を少なく、弓圧も少なく使います。
音の強弱を表現する際にも、自分の頭のなかで、どのような音をだしたいのか、イメージしてみることもとても大切です。(これは音程にも同じことがいえます。)
大きな音というのは、たとえば、体育館で、たくさんの方々を前にスピーチをするとき。(もちろん、普通でしたら、マイクを使うとは思いますが、)あなただったら、どのような声のだしかたをしますか?
小さな音というのは、たとえば、仲のよいお友達と隣同士で座って、ほかの人たちに邪魔されずに、ふたりでおしゃべりするとき、あなただったら、どのような声のだしかたをするでしょう?
このように違ったふたつの状況において、私たちは、きっと違ったからだの使い方をして声をだすはずです。
ヴァイオリンでも同様のことがいえます。
ただ単に、弓を少なく使う・たくさん使う というだけではなく、どれくらい声を小さくしたいのか、大きくしっかりした音をだしたいのか、イメージして、自分のヴァイオリンからでてくる音と関連づけることが大切です。
強弱は、単に音の大きさ、小ささだけでなく、実は、音色の変化 でもあるのです。
本当に奥が深く、すばらしい世界ですね!!!
弓使いのヴァリエーションも忘れずに
Schirmer出版のSvecenski版には、6種類の弓使いが記されています。
これも、うえに掲げた ウォールファルトの練習曲の記事にも書きましたが、なるべく早い段階から、いろいろな弓使いに触れることはとても大切です。
この1番では ある意味 たった6種類だけ しか記されていないので(笑)ぜひ、ひとつひとつ向き合ってみましょう。
もし大変であれば、たとえば、最初の16小節だけをつかって練習してみる など、全体ではなく、部分をつかってすることで、少し負担が軽減されますね。
カイザー14番 / Kayser no.14 Andante (Svecenski/G.Schirmer) 冒頭 / beginning – Dear Students 私の大切な生徒たちへ
Happy Practicing !
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